■増えている親の一人暮らし
親と同居していれば、そのまま同居している親族が相続することが多いかと思います。
しかし、子どもたちは結婚したらを出てそのまま実家はお父さんお母さんだけということも珍しくはありません。そうなると誰が実家を相続するのか、という問題も出てきます。
実家の土地の評価額が5,000万円だとすると、小規模宅地の特例を適用できれば1,000万円まで下げることも可能です。
特に都内ですと路線価も高いので相続税へのインパクトが大きいですね。
そんな時に確認しておきたいので通称「家なき子」特例です。
■「家なき子」特例の概要
①相続開始直前において、被相続人に「配偶者」及び「同居していた法定相続人」がいない。
配偶者が先に亡くなっていたり離婚していたりなどで一人暮らしの場合をいいます。
②相続する親族が、相続開始前3年以内に次の持ち家に住んだことがない。
イ.その親族自身の持ち家
ロ.その親族の配偶者の持ち家
ハ.その親族の3親等内の親族の持ち家
ニ.その親族等の支配関係のある法人の持ち家
これらの持ち家に相続開始前3年以内に住んだことがある場合には、特例は受けられません。
③相続開始時から相続税の申告期限(10ヶ月)まで引き続き所有している。
申告期限までに売却してしまうと特例は受けられませんので注意が必要です。
④相続開始時において、その親族が住んでいる家を過去に所有していたことがない。
過去に自分が所有していた家を親族や同族会社などに売却して、その後も家賃を払って住み続けている場合には特例の適用はありません。
■こんな場合はどうなる?
Q.相続したその実家に住んでいない。
A.家なき子に該当します。
申告期限まで所有することは要件ですが、居住要件がありませんので住んでいなくても特例は受けられます。
Q.相続した実家を賃貸物件として貸し出した。
A.家なき子に該当します。
他の要件を満たしていれば特例を受けられますが、仮にその後売却した場合の「3,000万円控除の特例」は適用されませんので注意が必要です。
Q.相続した実家を取り壊して駐車場にした。
A.家なき子に該当します。
土地を継続して所有することが要件で建物の所有要件はありませんので、他の要件を満たしていれば特例を受けられます。
Q.相続開始後にその親族が持ち家を購入した。
A.家なき子に該当します。
自身の持ち家には相続開始前3年以内に住んだことがないことが要件となっていますので、相続開始後に住んでも特例は受けられます。