■「売上債権+在庫-買掛金」で解き明かす資金繰り

「売上は順調に伸びているのに、なぜかお金が手元に残らない」

「毎月の返済が重くて、常に資金繰りに追われている」

その原因は、商売を回していくために恒常的に必要な「経常運転資金」の仕組みを理解せず、

長期の融資で借りてしまっている場合に陥りがちです。

本来、商売が続く限り必要な経常運転資金は、毎月の利益から元金を返済する性質のものではありません。

■経常運転資金とは?

経常運転資金 = 売上債権(売掛金+受取手形) + 棚卸資産(在庫) - 買入債務(買掛金+支払手形)

商品を仕入れてから売上代金が口座に入金されるまでに「立て替える期間」が発生します。

支払が先行し入金が後になる、この期間における必要となる資金が経常運転資金となります。

通常、月商の1~2か月程度が適正水準とされています。

これが3ヶ月、4ヶ月と多くなってくるとどういう状況を表すか?

プラスで見ると売上が急増していたり事業拡大したりしていると考えられますが、

在庫が売れ残って滞留や売掛債権の回収が滞っているとも予想されます。

■長期で借りるとどうなるのか?

基本的には、「資金の使途」と「調達期間」を合わせるというのが鉄則になります。

1年以内の短期で借りて、期日が来たら同額を借り直すという短期継続融資が経常運転資金を回していく理想的な運用方法です。

しかし一般的に、この経常運転資金を5年などの長期資金として融資を受けて、

また必要になると折り返し融資を受けるパターンが多いと思われます。

そうなると、本業で生み出したキャッシュフローから返済していかなくてはなりません。

経常運転資金は商売を行っている限り必要な資金です。

キャッシュフローからの返済となると、手元資金が足りなくなり再び長期で借りるという多重債務へと突き進んでいきます。

■短期継続融資へのシフト

短期資金には短期融資で、設備投資などの長期資金は長期の融資で対応するのが基本です。

恒常的に必要な経常運転資金を、当座貸越枠の設定や期日一括返済の更新など短期継続融資で対応を金融機関へ打診してみましょう。

そのためにも、毎月の試算表と借入一覧表から必要な運転資金と返済の予定を把握し、

損益計画と資金繰り表をもって金融機関への交渉の材料としましょう。