■親が借りていた土地の底地を息子が買い取った

実家の土地は借地で、そこのお父さんがお家を建てて住んでいました。

底地の所有者へ毎年地代を支払っていました。

底地の所有者から買い取りの申し出があり、お父さんは高齢のため息子さんが資金を出し買い取ることになりました。

その後の地代については、「家族だからいいよ」ということでお父さんはタダで住み続けることになりました。

ここで地代をタダにするということが「贈与税」という税金の思わぬ落とし穴になります。

■地代をタダにすることでかかる税金

そもそもなぜ地代を払っているのか?

自分の土地に家を建てた場合であれば何の問題もありませんが、

他人の土地に家を建てることは「借地権」という非常に強い権利を得ることになります。

地域にもよりますが土地の価額の6割7割にもなる権利になります。

その権利を得る代わりに、底地の所有者である地主さんに権利金や地代を払うことになります。

お父さんは地代をこれまで払っていたので、借地権者としての権利を持っていました。

そこで息子さんが底地を購入し、その後の地代の支払いをやめることになりました。

ここでどういうことになるかと言うと、

借地権者であるお父さんから息子さんへ借地権の贈与が行われたものとして扱われます。(使用貸借通達5)

実際に親子間で金銭などのやり取りがあった訳ではないものの、

目に見えない借地権という権利の移転があったものとされてしまいます。

■贈与税が課されないためには?

では、息子さんが底地を購入した後も地代を払い続けなければいけなかったのか?

この場合には、「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を税務署へ提出することで贈与税の課税を免れることができます。

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/pdf/38-2.pdf

「払わなくなったけど、借地権は依然としてお父さんが所有していますよ。」という税務署へのアピールになります。

誰が: 土地の所有者(息子)と、借地人(親)の「連名」で作成する。

どこへ: 土地の所有者(息子)の住所地を管轄する税務署。

いつまで:すみやかに、という曖昧な文言となっていますが購入後数か月以内には提出しましょう。

■まとめ

贈与税の課税は免れることとなりましたが、

借地権そのものはお父さんの財産ですので、

いずれ相続税の対象となるという問題は残っています。

不動産に関する税務は難解なものが多くありますので事前の相談が重要となります。