■親との同居にあたって息子夫婦がリフォームしてくれた!
土地建物ともに父親名義の実家。そこへ息子さん夫婦が一緒に住もうということで二世帯でも住めるように500万円かけてリフォームしてくれました。
この場合の課税関係はどうなるでしょうか?
家の所有権は父親ですので、リフォーム部分の所有権は民法242条の「不動産の付合」に該当し父親名義となります。
ここで、費用は息子さんが負担しましたので、父親は500万円の贈与を受けたものとされ、贈与税の対象となります。
(500万円-基礎控除110万円)×20%-25万円=贈与税53万円
■贈与税を防ぐ3つの対策
では、贈与税という予期せぬ税金がかからないようにするにはどうすればいいでしょうか?
その対策について考えていきたいと思います。
①リフォーム費用分の建物持分を譲渡して共有にする。
リフォーム費用を息子さんへ支払う代わりに、父親名義の建物の持分の一部を息子さんへ譲ります。
これを代物弁済と言いますが、この代物弁済によって贈与税を免れます。
ただし、この場合には、建物の所有権を息子さんへ譲渡することとなりますので譲渡所得税の対象となります。
通常は、所有権を譲るにあたって代金をもらいますが、代金の代わりに債務を免除してもらうことで経済的に同様の効果がうまれ譲渡所得税がかかります。
実際に税金がかかるかどうか?
(例)リフォーム前の建物の時価1,500万円
譲渡する持分=500万円×(500万円+1,500万円)=25/100
イ.譲渡した金額=500万円(リフォーム費用)
ロ.取得費=(時価1,500万円+リフォーム費用500万円)×25/100=500万円
ハ.イ-ロ=0円(この場合には譲渡所得は0円となり、税額は発生しない。)
ただし、名義変更の際の登録免許税や不動産取得税はかかります。
②リフォーム費用について父親から息子さんへ返済する。
親子間で「金銭消費貸借契約」を結び、息子さんへ返済を行っていくというものです。
父親の方で返済余力がない場合には難しくなってきますし、返済の実績がないと贈与と認定される可能性もあります。
③事前に息子さんへ贈与する。
リフォーム前に建物名義を息子さんにすれば、所有者と費用の支払い者が同一になりリフォームによる贈与税は発生しません。
ただし、建物の固定資産税評価額によりますが、建物の贈与による贈与税、登録免許税、不動産取得税がかかります。
また、暦年贈与ではなく、「相続時精算課税制度」を利用すれば基礎控除110万円+特別控除2,500万円により贈与税の負担なく名義変更が可能となります。
■まとめ
いずれにしても、事前の相談・対策でシミュレーションすることが重要となります。
相続時精算課税制度の活用もこのリフォームだけで判断するのではなく、全体として何が最適かを見定めることが肝要です。

