1.    マンション管理組合って何?

マンション管理組合とは、各戸の持主である区分所有者が快適な生活を送るため、共有部分である建物や敷地に関する維持管理について一定のルールを定め区分所有者全員によって構成された団体であり、法人税法においては「人格のない社団等」に該当するものとされています。

2.    マンション管理組合って課税されるの?

この「人格のない社団等」については、①収益事業として定められた34種類の事業のうちいずれかの業種を、②事業場を設けて、③継続して行う場合、この3つの要件を満たした場合にはその該当する事業から得られた所得に対して法人税が課されます。

この34種類の収益事業には物品販売業や不動産貸付業といったものが含まれ、マンション管理組合の場合には、「携帯基地局を設置した場合の賃料収入」や「共用部分における看板広告の賃料収入」、「区分所有者以外の外部の者へ貸し出した駐車場の賃料収入」といったものが代表的なものとして該当すると考えられます。

近年、スマートフォンの普及や高速データ通信規格の設備強化などにより、携帯電話会社との間で契約を結び屋上に基地局を設置することにより賃料収入を得るマンションが増えているようです。それに伴い、賃料収入についての税務申告が行われていないという指摘を税務署から受け、設置以後の各年の収入について課税が行われるケースが出てきているようです。

3.    どんな税金が課されるの?

収益事業を行った場合には、その収益事業から得られる所得について以下の税金が課されます。

①  法人税
②  法人事業税
③  法人住民税
④  地方法人特別税
⑤  (基準期間の課税売上高が1000万円を超える場合)消費税

4.    どこにどんな届出が必要なの?

収益事業に該当する事業を始めたら、「収益事業開始届出書」、「青色申告の承認申請書」等を管轄の税務署へ提出しましょう。また、管轄の都道府県・市区町村にも「法人設立等申告書」等を提出する必要があります。これらは事業開始後2か月以内に提出するようにしましょう。

さらに、マンション管理組合には毎期の計算期間が定められているかと思いますが、毎期決算終了後2か月以内に税務署や都道府県、市区町村へ申告書を提出し、税金を納めなくてはなりません。これらの申告を行わず税務署から申告漏れの指摘を受けた場合、無申告加算税や延滞税等の罰金が課されることになりますので注意しましょう。

5.    さいごに

マンションは築年数を重ねていくほど管理費の滞納や維持修繕費の増加といった問題や消費税増税により管理組合の費用負担の増加も予想されます。そのような場合の資金不足に備え、携帯基地局などの賃料収入を期待するマンションも増えていくことが考えられます。

お住まいのマンション管理組合が適正な税務申告を行っているか、申告漏れの指摘を受ける可能性がないか一度確認してみましょう。